母の日に欠かせない定番の花といえば「カーネーション」。
でも、なぜカーネーションを贈る習慣が広まったのでしょうか?
その由来や背景、そしてカーネーションの色ごとの意味を知れば、今年の母の日ギフト選びがもっと特別なものになるはずです。
母の日にカーネーションを贈る由来とは
母の日の起源と歴史
母の日のルーツは古代ギリシャ時代にまでさかのぼります。
この時代、人々はすべての母であるレアに感謝の気持ちを示すために特別な祭りを開催していました。
これが母をたたえる文化的な始まりとされ、後の時代に引き継がれていきます。
近代における母の日の基盤を築いたのは、アメリカのアンナ・ジャービスという女性です。
彼女は社会活動家であり、自らの母の死をきっかけに「母の日」という記念日を設けようと活動を始めました。
1908年、彼女はフィラデルフィアで白いカーネーションを配り、亡き母への思いを多くの人と分かち合いました。
これが現在の母の日の始まりとされています。
アメリカにおけるカーネーションの重要性
アンナ・ジャービスの活動は瞬く間に全米へと広がり、1914年には当時のウィルソン大統領によって5月の第2日曜日が「母の日」として公式に制定されました。
アンナが選んだ白いカーネーションは、母親の純粋な愛を象徴する花として知られるようになり、その印象は今なお多くの人の心に残っています。
また、彼女はこの日を商業的なものではなく、家族の絆や感謝の気持ちを大切にする本来の意義を強調していました。
日本での母の日の定着と習慣
日本に母の日が伝わったのは、昭和初期のことです。
新聞社などによる啓発を通じて少しずつ浸透し、昭和12年には大日本連合婦人会が皇后の誕生日である3月6日を「母の日」として記念行事を行いました。
その後、アメリカの影響もあり、現在と同じ5月の第2日曜日に統一されました。
以後、百貨店やメディアによるキャンペーンも相まって、母親に感謝の気持ちを伝える日として広く認知され、カーネーションを贈る文化も定着したのです。
カーネーションの花言葉と意味
カーネーションの花言葉一覧
カーネーションには「無垢で深い愛」「母への愛」といった花言葉があります。
さらに、「女性の愛」「魅力」「誇り」など、母親だけでなく女性全般への敬意を表す意味も含まれています。
色や贈る場面によってそのニュアンスは微妙に異なり、贈る側の想いを豊かに表現できるのが魅力です。
特に母の日に贈る際には、感謝や尊敬の気持ちを込める意味合いが強調され、シンプルながらも心に響くプレゼントになります。
色別のカーネーションの意味
- 赤:母への愛、感謝。もっとも一般的で、深い愛情を象徴。
- ピンク:感謝、温かい愛情、優しさ。可愛らしさや思いやりも感じさせる色。
- 白:亡き母を偲ぶ、純粋な愛、追悼の意。贈る相手によっては注意が必要。
- 黄色:軽蔑、嫉妬(日本ではネガティブな意味があるため注意)だが、欧米では友情や明るさを象徴することも。
- オレンジ:情熱、熱愛、積極性。元気で明るい印象を与える色。
- 紫:誇り、気品、高貴さ。格式高い雰囲気を持ち、特別な贈り物にも適しています。
- 青・水色:永遠の幸福、希望、冷静。近年人気が高まりつつあるトレンドカラーです。
贈り物としてのカーネーションの意味
カーネーションは日頃言葉にしにくい想いを、視覚的に伝えられるギフトです。
単なる花ではなく、贈る相手の存在を大切に思っているという気持ちを形にできるのが大きな魅力です。
特に色の意味を踏まえて選べば、より気持ちのこもった贈り物になります。
また、カーネーションは日持ちも良く、お世話が比較的簡単なことから、忙しいお母さんへの贈り物としても適しています。
花束やアレンジメントだけでなく、鉢植えとして長く楽しんでもらえるタイプも人気があります。
色別カーネーションの贈る意味
赤色カーネーションの意味
最もポピュラーな赤色は「母への感謝」や「愛情」の象徴です。
情熱的で力強い印象を持つ赤色は、言葉にできない深い思いを代弁してくれます。
特に長年にわたり家庭を支えてきた母親への感謝の気持ちを伝えるにはぴったりの色といえます。
定番であるがゆえに、どんな年代のお母さんにも喜ばれる安心感があり、迷ったときは赤を選べば間違いなしです。
また、赤には「幸福を願う」というポジティブな意味もあり、元気でいてほしいという願いも込められます。
ピンク、黄色、オレンジの特性
- ピンクは優しさや女性らしさを表す色で、「感謝」や「温もり」といった穏やかな感情を伝えるのに最適です。特に柔らかい印象を持つピンクは、穏やかで優しい性格のお母さんにぴったり。
- 黄色は明るく元気なイメージですが、日本では「嫉妬」や「軽蔑」といった否定的な花言葉も持つため注意が必要です。ただし、ビタミンカラーとしての人気もあり、元気を贈りたいときには前向きな解釈もできます。
- オレンジは温かみがあり、陽気で行動的なお母さんにぴったりの色です。「親しみやすさ」や「喜び」「友情」なども表し、カジュアルながらも心のこもったメッセージを伝えたいときに適しています。
色による想いの表現
色を意識して贈ることで、「ありがとう」「元気でいてね」「いつも助けられています」といったメッセージを言葉にしなくても自然に伝えることができます。
また、色の選び方によって贈り主の性格やセンスも伝わるため、受け取る側にとっても特別な印象が残ります。
たとえば、やさしいピンクで安心感を、力強い赤で情熱と感謝を、オレンジで楽しい日々への願いを表現することができるのです。
母の日の贈り物の予算と選び方
お手頃価格のプレゼントアイデア
1,000〜3,000円でも、ハンドクリームやミニブーケ、ハンカチ、ルームスプレー、バスソルトなど、気の利いたギフトは豊富にあります。
近年では、プチギフトとして「お花の入浴剤」や「カスタマイズできるお茶セット」なども人気です。おしゃれなパッケージに包まれた小物は、価格以上の満足感を届けてくれます。
また、手作りカードや子どもの絵などを添えることで、より心のこもったプレゼントになります。
予算に応じたギフトのおすすめ
予算5,000円以内なら、アロマグッズやギフトセットに加えて、カフェチケットやエステの割引券など「体験型ギフト」もおすすめです。
リラックスできる時間を贈ることができるため、実用性と感動の両方を兼ね備えたプレゼントになります。
一方で、1万円以上の予算がある場合は、高級スキンケア商品や美容家電、ジュエリー、オーダーメイドのギフトなど、特別感のあるプレゼントを選ぶことで、お母さんに一層の喜びを届けられます。
心に残る贈り物とは
高価でなくても、「あなたのことを想って選びました」という気持ちが伝わるプレゼントこそ、母の心に残ります。
たとえば、母が日頃どんなものを使っているか、どんな色が好きかを観察して選んだギフトには、金額以上の価値があります。
また、手紙やメッセージカードを添えることで、プレゼントそのもの以上に「気持ち」が届きます。
感謝の気持ちや普段はなかなか伝えられない想いを、贈り物に乗せて届けることができるのが、母の日ギフトの大きな魅力です。
兄弟姉妹とのギフト選び
共同でのプレゼント購入方法
兄弟姉妹でお金を出し合って、少し高価なギフトを購入するのもおすすめです。
たとえば、高品質な家電やジュエリー、旅行券やレストランのディナーチケットなど、1人では難しい贈り物も実現可能になります。
また、ギフトに加えて手作りのアルバムや動画メッセージなど、個々の想いを形にして添えることで、より一層心のこもったプレゼントになります。
兄弟姉妹間でのアイデア共有
LINEグループやSNS、オンライン通話などを活用して、母が喜びそうなギフトや体験について相談するのも楽しい時間です。
意見を出し合うことで、思いもよらない素敵なアイデアが生まれることも。過去の母の日の記憶を振り返ったり、母の趣味や好きなことを話し合いながら選ぶことで、家族の絆もより深まります。
それぞれの母への特別な想い
同じ母でも、兄弟姉妹ごとに異なる感謝や想いがあります。
たとえば、長女は「いつも見守ってくれてありがとう」、末っ子は「甘えさせてくれてありがとう」といったように、それぞれの立場からの感謝を表現することができます。
プレゼントの中にそれぞれのメッセージやエピソードを込めることで、母にとってもかけがえのない思い出になるでしょう。
母の日は、家族が母という存在を改めて見つめ直す大切な日でもあるのです。
まとめ
母の日にカーネーションを贈る習慣は、歴史ある伝統と深い愛情に基づいた文化です。
色ごとの意味や背景を知ることで、より想いのこもった贈り物選びができます。
また、カーネーションだけでなく、スイーツやアロマグッズ、体験型ギフトなど選択肢は豊富で、お母さんの好みに合わせて選ぶ楽しさもあります。
さらに、兄弟姉妹と協力したり、手紙を添えたりすることで、心に残る一日にすることができます。
今年の母の日は、ただのイベントとしてではなく、「ありがとう」を心から伝える機会として、大切に過ごしてみてはいかがでしょうか。