ショベルカーとパワーショベルの区別、そしてユンボの意味について、今回詳しくご説明します。
建設現場や解体現場でよく見かける油圧ショベルには「ショベルカー」「パワーショベル」「ユンボ」という様々な名称があります。
これらは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
バックホーとしても知られる油圧ショベル
油圧ショベルは、土掘りや建物解体などに使用される建設機械として広く用いられています。
一般的にはショベルカーやパワーショベルと呼ばれますが、場所によっては「ユンボ」とも称されます。
これらの異なる呼称の背景にはどのような理由があるのでしょうか。
ショベルカーの概要
ショベルカーとは、バケットを備えた一般的な建設機械の通称で、建設業界だけでなくメディアでも頻繁に使われる用語です。
ユンボの由来
「ユンボ」という名称は、フランスの建設機械メーカー、シカムの油圧ショベルブランドから来ています。
日本では三菱重工業がシカムと提携し、1961年にY35モデルを「ユンボ」として販売し、広く普及しました。
現在では「ユンボ」は商標として登録されています。
パワーショベルの説明
「パワーショベル」とは、元々コマツが名付けた油圧ショベルの製品名ですが、現在では一般にショベルカーと同義で使用されています。
しかし、専門的には外向きバケットを持つ油圧ショベルを指すこともあります。
バックホーとの違い
バケットがオペレーター側を向いている油圧ショベルは「バックホー」と呼ばれます。
英語で「backhoe」と表記され、「hoe」は土を掘る農具を意味します。
バックホーは下方向への掘削作業に適しています。
油圧ショベルの様々な呼称とその由来について
油圧ショベルには、「ユンボ」、「バックホー」、「ショベルカー」といったさまざまな名称が存在します。
これらの呼称はいずれも基本的には油圧ショベルを指すものですが、それぞれに興味深い物語があります。
ユンボの由来
「ユンボ」という名称は、もともとフランスの建設機械メーカー、シカム社が使用していた油圧ショベルのブランド名です。
1961年、新三菱重工業(現在の三菱重工業)がシカム社との提携を通じてこの名称を採用し、日本国内で広まりました。
バックホーの由来
「バックホー」とは、オペレーター側に向けて掘る油圧ショベルのタイプを指し、公的な文書や専門業者の間では「バックホー」や「ドラグショベル」という呼称が一般的です。
ショベルカーの由来
「ショベルカー」という用語は、メディアや教育番組でよく使用され、一般には油圧ショベル全般を指す広範な呼称として認識されています。
「ユンボ」、「バックホー」、「ショベルカー」の使用シーンの例
「ユンボ」、「バックホー」、「ショベルカー」はすべて油圧ショベルの種類ですが、それぞれが用いられる一般的な作業には若干の違いがあります。
以下に具体的な作業例を挙げてみましょう。
ユンボ
- 基礎掘り: 建物の基礎を作るために深く広い穴を掘る作業。
- 土砂の積み込み: 掘り出した土砂をダンプトラックなどに積み込む作業。
- 管路敷設: 水道管やガス管などの地下管路を敷設するための溝掘り作業。
バックホー
- 溝掘り: 配管やケーブルを埋めるための狭く深い溝を掘る作業。
- 解体作業: 古い建物や構造物を解体する際に、壊す部分を取り除く作業。
- 植樹準備: 大きな植物を植えるための穴を掘る作業。
ショベルカー
- 一般的な掘削作業: 建設現場での土地の形成や地形の調整。
- 破砕作業: コンクリートやアスファルトなどの硬い素材を破砕する作業。
- 清掃作業: 大量の瓦礫やがれきを片付け、場所をきれいにする作業。
これらの機械はその多用途性と能力により、多様な現場で重宝されています。
油圧ショベルの多様な機能
油圧ショベルは、その汎用性から土木作業に欠かせない機械です。
そのアームの先端には、土を掘るバケットから、物を掴むフォーク、コンクリートを砕くブレーカーまで、多種多様なアタッチメントが装着されています。
小型油圧ショベルの利点
技術の進歩により、小型油圧ショベルが開発され、狭い空間での作業効率が向上しました。
これにより精密な掘削作業が可能となり、さまざまな場面での活用が拡がっています。
油圧ショベルの操作資格
油圧ショベルを操作するためには特定の資格が必要です。
「車両系建設機械運転技能講習」などの資格があり、建設、解体、造園業など多岐にわたる現場での活躍が期待されます。
まとめ
今回は、ユンボ、バックホー、ショベルカーといった油圧ショベルの各呼称の違いと特徴、操作に必要な資格についてご説明しました。
これらはすべて油圧ショベルを指す呼称であり、建設業において重要な役割を果たしています。