車のフロントガラスの保護には、撥水や親水、滑水といった選択肢があります。
どれが自分にとって最適かを知るためには、それぞれの特性を理解することが重要です。
本記事では、フロントガラスに施す各種コーティング技術について詳しく解説します。
ガラスコーティングは大きく撥水性と親水性の二つに分けられ、それぞれに独自の魅力があります。
撥水コーティングは水を弾く力があり、一方で親水コーティングは水をガラス表面に広げやすくします。
そして比較的新しい方法として「滑水」という方法もありますので、説明します。
どれを選ぶかは、使用する車の用途や駐車環境を考慮しましょう。
撥水性と親水性コーティングの基本
ガラスコーティングは「撥水性」と「親水性」の二つに大別されます。
これらの主な違いは、水との相互作用の仕方にあります。
撥水コーティングは水滴を球状にして弾きますが、親水コーティングは水滴を広げてガラスになじませます。
これは水滴とコーティング表面との接触角度によって決まり、撥水の場合は接触角が90度以上で水滴との接触面積が少なくなります。
一方、親水の場合は接触角が40度以下で、水が広がりやすくなる仕組みです。
記事の内容を参考に、ご自分の生活スタイルに合った選択をしてください。
撥水性コーティングの特性
撥水性コーティングは水をはじく特性があり、水滴がビーズ状になって転がるため、ワックス施工後のような艶が出ます。
この効果は目に見えて実感しやすく、水滴を素早く拭き取れるのも大きな利点です。
しかし、水滴が小さく残りやすいため、晴れた日には水シミができやすくなります。
そのため、屋内駐車や水シミが目立たない色の車に向いているといえます。
親水性コーティングの特性
親水性コーティングは水滴をガラス表面と調和させる性質が特徴です。
このため、ウォータースポットの付着を防ぎます。
特に、暗色の車や屋外駐車が多い車に適しており、雨が降ると汚れを流し去る自浄作用が期待できます。
しかし日常のメンテナンスが容易になる一方で、洗車時の水拭き取りが少し大変なのはデメリット。
また、水をはじかないため、コーティングの効果を感じにくい場合もあります。
ウォータースポットって?
ウォータースポットは、水滴が蒸発してその跡に残る小さな斑点のことを指します。
これは水に含まれるミネラルや汚染物質が原因で、車のガラスやボディに定着することがあります。
特に雨が降った後や洗車後に車を十分に乾燥させない場合に発生しやすいです。
ウォータースポットは放置すると塗装面やガラスの見た目を損ねるだけでなく、
塗装の劣化を引き起こす可能性があるため、適切なクリーニング剤や研磨剤を使用して早めに対処することが推奨されます。
「撥水」と「親水」の基本的な違い
撥水剤は水滴を小さくし、ガラスとの接触面積を減らすことで水の転がりを促します。
市場ではこの撥水タイプのコーティングが一般的。
一方、親水剤は水滴を薄い水膜に変え、ガラスに均一な膜を形成します。
これにより雨中でも視界がクリアに保たれますが、視界が若干歪んで見えることがある場合も。
フロントガラスには撥水がおすすめ!
結論!フロントガラスのコーティングには「撥水」加工がおすすめです!
撥水コーティングは風圧を受けやすいフロントガラスに最適で、水滴が飛びやすく視界を確保しやすいです。
親水コーティングは風の影響を受けにくいサイドミラーやサイドガラス、リアガラスに適しており、水滴が均一に広がり視界が保たれやすくなります。
新たな選択肢の「滑水」コーティング
滑水タイプのガラスコーティングが親水タイプに次ぐ人気を集めています。
滑水コーティングは撥水コーティングに似ていますが、雨粒がガラスとの間で滑りやすくなる点が異なります。
これにより、低速での走行や停車時でも雨粒は自然に滑り落ち、高速走行時には撥水コーティングのような状態が期待できます。
主にフロントガラスに使用されます。
しかし耐久性に関しては撥水コーティングが優れているといえるでしょう。
撥水・親水・滑水それぞれのメンテナンス頻度は?
それぞれのコーティングの目安となるメンテナンス頻度を紹介します。
撥水加工のメンテナンス
撥水加工は、雨の日にフロントガラスやサイドウィンドウに水滴が残りにくくするためのものです。
この撥水加工のメンテナンスは使用する車の走行距離や駐車状態、地域の気候によっても頻度は異なりますが、
一般的には3ヶ月から6ヶ月ごとの再施工が推奨されます。
また個人でも専用の撥水剤を用いて施工可能です。
市販の撥水剤はスプレータイプが多く、清潔な布で均一に塗布することで自宅でも簡単にメンテナンスを行うことができます。
親水加工のメンテナンス
親水加工はガラス表面に水膜を作り、視界をクリアに保つ技術です。
この加工のメンテナンスは撥水加工よりも頻度が高く、
約1ヶ月から3ヶ月ごとの再施工が必要といわれています。
特に雨の多い地域では、メンテナンス頻度が多くなる可能性があるため、定期的なチェックが重要です。
親水加工も市販の専用剤を用いることで、個人での施工が可能ですが、均等に塗布する技術が求められるため、
初心者は少し練習が必要かもしれません。
滑水加工のメンテナンス
滑水加工は特に新しい技術で、水をガラス表面に残さず、滑り落とすようにすることで視界を良好に保ちます。
この加工のメンテナンスは、撥水や親水加工に比べて持続性が高く、
半年から1年に一度のメンテナンスが推奨されます。
滑水加工の施工はやや難易度が高いため、専門の施工業者に依頼するのが一般的ですが、
技術や知識があれば個人でも施工可能です。
以上のように、各種加工のメンテナンス頻度や方法は異なりますが、個人でも基本的な施工は可能です。
ただし、最初は専門家の施工を参考にしながら、適切な方法を学びましょう。
まとめ
ガラスコーティングには主に親水性と撥水性の二つのタイプがあります。
また、新しい「滑水」という選択肢もでてきました。
撥水コーティングは水滴をはじいてガラス表面から離れやすくしますが、親水コーティングは水がガラス表面に広がりやすくなります。
よってフロントガラスには「撥水」コーティングが向いているといえます。
そういう観点では低速や停止時にも雨が流れやすい「滑水」コーティングも向いていますが、個人でのメンテナンスが難しい場合があります。
どれも明確に優れているわけではなく、利点と欠点があります。
そのため、車の色や駐車環境、メンテナンス頻度などを考慮し、自分の好みや使用状況に合わせて選択しましょう。