エリカが色鮮やかな花を咲かせる時期を終えたら、適切な手入れが重要です。
花が終わった後の手入れには、定期的な剪定や良好な風通しの確保、そして植え替えなどが含まれます。
高温多湿の環境はエリカには適さないため、剪定を通して空気の循環を良くし、植物が暑い時期も過ごせるよう手助けしましょう。
また、涼しい場所への移動も大切です。
エリカの開花後の4つのケアポイント
エリカが咲き終わった後も、次なる花期に向けて適切な手入れが必要です。
具体的には次の4つのポイントがあります。
- 咲き終わった花穂の取り除き
- 植え替え
- 適切な時期に行う剪定
- 暑さへの備え
一つずつ説明します。
咲き終わった花穂の取り除き
エリカの花は終わると、自然に地面へと戻っていきます。
たとえばジャノメエリカは、枝に花がいっせいに咲き乱れるので、花びらの手入れに一見手間がかかるように見えます。
しかし、花びらが散り始めて目につくようになったら、枝をそっと揺らすだけで、落ちた花びらを簡単に片づけられます。
ですが、散った花びらが土の表面に積もるのはよくありません。
よって地面に落ちた花びらは定期的に清掃しましょう。
エリカの植え替え
エリカの植え替えのタイミングと手順をまとめます。
植え替えのタイミングを見極めよう
花の季節を見計らい、新たなポットへの植え替えを行うのが理想的です。
たとえばジャノメエリカのような特定の種類の場合は、花期が終わる春の終わりから初夏にかけてが植え替えの好適期とされています。
また、地面に直接植えられている植物の場合、通常は植え替える必要は少なく、無理に試みると失敗してしまうことが多いです。
もし植え替えを実施するのであれば、リスクを理解した上で、手際よくかつ慎重に作業を進めることが大切です。
植え替えの手順
エリカを新しい土に植え替える場合、次のアイテムを用意しましょう。
- サイズの大きな新しい鉢
- 酸度が低めで、排水性及び通気性を加味した新鮮な土
植え替えをする際には、まず古くなった根を取り除きます。
その後で丁寧に植物を移します。
植え替えが完了したら、約2週間、半日陰の場所で保護し、新しい環境に慣れるまでの間、根がしっかりと定着するのを待ちましょう。
エリカの剪定タイミングと手順
エリカは花が終わった後の剪定がおすすめです。
特にジャノメエリカは4月や5月に剪定するのが最適で、この時期に植え替えと一緒に剪定を行うことでさらによいとされています。
剪定の主な目的は、過密になった枝を整えて風通しを良くすることで、湿気を防ぐことです。
表面全体に花を咲かせるジャノメエリカのような種類では、全体の枝の三分の一から半分くらいを切り戻すことが一般的です。
枝先か花単位で開花する他のエリカ種の場合は、半分以上を切り取っても良いです。
地植えの場合は、伸びた分だけを剪定するだけで充分ですよ。
暑さへの備え
エリカは、ヨーロッパと南アフリカが原産の種類があり、夏の過ごし方もそれぞれ異なります。
ヨーロッパ産エリカの夏季対策
ヨーロッパ産エリカは、暖かく湿った環境が苦手です。
そのため、夏は涼しく、空気の流れの良い場所が理想的です。
南アフリカ産エリカの夏季対策
南アフリカ産のエリカ、たとえばジャノメエリカやメランセラは、高温や湿気のある環境にも強いです。
ジャノメエリカは特に地植えに適しています。
しかし、これらの植物も高温多湿を完全に好んでいるわけではありません。
鉢植えの場合は、風通しの良い涼しい場所へ移動することで、手入れが簡単になります。
地面に植える際は、基本的にはそのままでもいいですが、強い日差しの当たる場所では日陰を作るなどの工夫が必要かもしれません。
エリカの肥料の与え方
エリカという植物は、肥料の与えすぎに注意が必要です。
通常、肥料を補給する時期は、冬の初め、すなわち1月か2月です。
また、秋(9月か10月)には、固形の肥料を施すことが良いとされています。
花が咲いた後から秋にかけては、液体肥料がなくても、定期的に追肥をすることが重要です。
ただし、7月と8月の暑い時期は、植物にとってもストレスの多い時なので、この期間の追肥は避けた方が良いでしょう。
液体肥料を使う場合、7月に最後の施肥を行うことが推奨されます。
また、植物を直接土に植える場合には、骨粉や油粕などもおすすめです。
エリカの水やり
鉢植えのエリカには、花の開花が終わった後も、土が乾いたら適切な量の水をあげるだけで充分です。
対照的に、庭に直接植えた植物は普段からの水やりが基本的には必要ありません。
しかし、長期間にわたって乾燥が続く場合には、葉に霧吹きで水を吹きかけて湿度を保つのがおすすめです。
だいたいのところ、エリカは少し土が乾燥している状態を好みます。
まとめ
エリカは乾燥した場所に強い一方で、高湿度と高温度の環境は不得意です。
そのため、花が終わった後には適切な剪定を行いうなど、環境にも工夫が必要。
庭に植える場合は、日陰を作りましょう。
園芸用の遮光ツールを上手に活用すると、手間が減ります。
特に夏の暑さへの耐性が、重要なポイントです。
この暑い期間を上手く乗り切れば、寒い冬には比較的楽に適応してくれます。
ですので、花が終わった後は特に、夏の暑さへの対策をしっかり行うようにしましょう。