日本の食事マナーでは、食べるときに肘をつくことが「マナーが悪い」とされています。
では、なぜ食卓で肘をつくのがよくないのでしょうか?
多くの人がこの点で注意を受けた経験があるかもしれません。
そこで、この記事では、食事中に肘をつく行為がなぜ好ましくないとされるのか、その理由を明確に説明します。
また子どもが肘をつく癖がある時の対策や、食事中に見られる良くない行動3つも紹介するので、是非参考にしてみてください。
食事中に肘をつくのが良くないとされる理由
食事中に肘をつくことが避けられる主な理由は、「姿勢を崩す」からです。
特にエレガントな食事マナーにおいては、正しい姿勢で食べることが重要。
テーブルに肘や腕を置くと、猫背になりがちで、姿勢が乱れる傾向が強いです。
他人が食事中に腕をテーブルに置くのを見たとき、それが不格好や品位に欠けるように見えることがあるのも、姿勢が悪く感じられるからと思われます。
これらの考えは昔から私たちの中に植え付いている感覚なので、外から見ると、腕をテーブルに置いて食べる姿はみっともなく映りがちです。
さらに、肘や腕をテーブルに置くことで、テーブルから遠ざかり、食べ物をこぼす可能性も上がります。
姿勢が悪く、食べ物をこぼしている様子は決して良いマナーとは言えないですよね。
正しい姿勢は見た目の美しさのみならず、実用的な面も重要ということがわかります。
よって肘をつかいないようにすることは、よい姿勢につながり、マナーを守ることに繋がるということです。
子どもの食事中の肘つき対策
子供が食事中に肘をついてしまう癖は、マナーの面から早めに対処することが望ましいです。
ただし、食事中の癖を正すのは難しいことの一つで、あまり厳しすぎる呼びかけも良くありません。
子どもが食事の時間を楽しくないものと認識することは避けたいですよね。
そこでおすすめなのは、物理的に肘をつかない状態にしてしまう方法です。
それは、「テーブルの高さを調整して肘がつきにくくする」という方法。
子供用の椅子や座布団を使って座高を調整し、テーブルが子供の肘よりも低くなるようにすることで、肘をつきにくい環境を作ることができます。
すると自然と肘をつかなくても食事がとれるようになってくるので、おすすめです。
手の置き場に困った場合は?
肘をついて食べるのが見た目によくないことは明らかですが、手の置き場に困る場合もあるかもしれません。
その場合は、テーブルに肘ではなく手首を置くことを推奨します。
例えば、フランス料理やイタリア料理を食べる際、手首をテーブルに置きつつフォークやナイフを使うスタイルはとてもスマートに感じられます。
つまり、手持ち無沙汰なときは、肘ではなく手首をテーブルに置くことで、スマートな食事姿勢が保てることに繋がるといえます。
食事中にたびたび見られる良くない行動
「肘をつく」以外にも、マナーとして良くない行動があるので紹介します。
食事時の腕組み
多くの人は考え事をする時に腕を組むことがありますが、食事の場面でもこれをする人がいます。
しかし、特にレストランのような公共の場で腕を組む行為は、マナー上好ましくないとされることが多いです。
一般的に、腕組みは好まれない行動とされていますが、特に食事の席では、この習慣が無意識のうちに現れやすいです。
腕組みは、周囲の人々に威圧感や不快感を与える可能性も。
そのため、食事時はもちろん、日常生活においてもこの癖は正しておくことがおすすめです。
ナイフやフォーク、箸を持ったままの身振り
上品な食事マナーを守っていても、ナイフやフォークを握った状態で身振りを交えて話すことはマナーが悪いと見なされがちです。
たとえ上品に食事をしていたとしても、このような動作をすると、その品位が損なわれることがあります。
よって、西洋食でナイフやフォークを使った食事はもちろん、和食で箸を持ったままの身振りや手振りを伴う動作も避けましょう。
和食における「手皿」
和食でよく見られるがマナーが悪いとされる行動として「手皿」があります。
手皿とは、食事をしている際に片手を小皿のようにして食べ物を支える行動を指します。
この行為は一見上品に見えることもありますが、実は和食ではマナーが悪いとされます。
例えば、手皿を使っているときにソースが手にこぼれた場合、おしぼりやティッシュで手を拭く必要が出てくるわけですが、本来おしぼりは食事前に手を清潔にするために用意されており、食後に手の汚れを拭くために使うことは、レストランに迷惑をかける行為とみなされることも。
よって、手皿は外見上は上品に見えることもあるものの、和食では不適切なマナーと見なされるということを知っておく必要がありますね。
まとめ
これまでに、食事中に肘をつく行為とその理由や対策を紹介しました。
食事中に肘をつく行動は、マナー的に見ても避けるべきとされています。
肘をつくことで姿勢が悪くなるだけではなく、食事をこぼしやすくなるといった不便さも伴うからです。
また、子どもの肘をつく癖を正す場合は、椅子や座布団で子どもの座高を調整し、物理的に子どもの肘が机につかない位置に調整するのがおすすめです。
その他にも紹介した
- 食事中の腕組
- フォークやナイフ、箸を持ったままの身振り
- 和食における「手皿」
にも気を付けて食事をとるようにしてください。