ぬか床に昆布や山椒を加えることで、風味がぐっと向上しますよ。
また、その他にもぬか床に加えることで、旨味と香りを強化する食材があります。
これらのことを知っているだけで、家庭でのぬか漬け作りがこれで楽しくなります。
しかし加える量には注意しましょう。
過剰に加えるとぬか床を損ねる原因にもなります。
本記事では、ぬか床におすすめの食材と、失敗しないためのコツを解説します。
ぬか床に加えると良い食材と失敗防止策
ぬか床に加える食材は、主に旨味成分が豊富な食材と香り付けに適した食材の二つに分けられます。
旨味は昆布やかつお節などの乾物から、香りは柑橘類や山椒を利用します。
これらの食材は和食の出汁取りや香り付けにも使われますが、使い方には注意が必要です。
過剰に使うとぬか床の風味が損なわれることもあるからです。
失敗しないポイントとして、ぬか床の急激な変化を避けることが挙げられます。
以下に具体的な方法を紹介します。
一種類ずつ少量を加える
ぬか床は少量の追加でも大きな変化が生じるため、食材を一種類ずつ少しずつ加えるのがおすすめです。
「グルタミン酸豊富な昆布」や「グアニル酸豊富な干し椎茸」から始めるといいでしょう。
複数の食材を同時に加えると、味が複雑になりぬか床の管理が難しくなることがあります。
食材をお茶のパックに入れてぬか床へ
食材をお茶のパックに入れてからぬか床に加えると、食材がぬか床に均一に分散しずらくなり、取り出しやすくなります。
細かい食材の場合、この方法が推奨されます。
チャック付きポリ袋で少量ずつ試す
一般的に美味しいとされる食材も、自分の好みかどうかは確認する必要があります。
そのため、少量のぬか床をチャック付きポリ袋に入れ、新しい食材を加えて試すのがおすすめ。
これにより、ぬか床全体に影響を与えずに、様々な食材を試すことが可能です。
ぬか床に加えることで風味豊かになる食材
以下で紹介する食材をぬか床に加えることにより、風味や旨味が加わるといわれています。
お持ちのぬか床の特性に合わせて、これらの食材を選んでみてください。
旨味をプラスする食材
昆布
昆布はぬか床に旨味をもたらし、水分調整も助けます。
ぬか床に昆布を加えた後、2〜3日で旨味が染み出し、昆布はサラダや佃煮に再利用可能です。
1ヶ月経過後も昆布が分解されぬか床に溶け込むので、取り除く必要はないでしょう。
干し椎茸
干し椎茸はグアニル酸が豊富で、昆布と同様に水分調整の役割を果たします。
戻した椎茸はチャーハンや炒め物に使えます。
かつお節
かつお節からはイノシン酸が豊富に放出され、少量で大きな旨味をぬか床に加えます。
ただし、入れすぎると魚臭さが出ることがあるため注意が必要です。
血合いの少ない糸削り節が推奨されます。
煮干し
煮干しはイノシン酸を含み、ぬか床に旨味を加えます。
魚臭さを抑えるため、使用前に頭と内臓を除去して使用しましょう。
唐辛子
唐辛子は旨味ではなく、辛味をぬか床に加え、全体の味を引き締めます。
辛さの好みに応じて、そのまま加えるか、輪切りにして加えると良いでしょう。
ぬか床に香りを加える食材
柚子の皮
柚子の皮を加えることで、ぬか床に爽やかな柑橘の香りが広がります。
柚子は冬に旬を迎えるので、その時期にまとめて購入し、冷凍保存すると一年中使用できます。
オフシーズンはオンラインで冷凍柚子の皮を購入するのも一つの手です。
みかんやすだちの皮でも代用可能です。
実山椒
実山椒をぬか床に加えると、独特の香りとわずかな辛味が加わります。
香りの強さを調整しながら少量から始めることをお勧めします。
実山椒は使用前に茹でて水気を切ると良いでしょう。
5月から6月にかけて購入し、冷凍保存すると便利です。
オフシーズンはオンラインで冷凍品を手に入れることができます。
ぬか床で美味しくなる意外な食材6選
ぬか漬けと聞くと、ほとんどの人が野菜のイメージを持つかもしれませんが、意外な食材も素晴らしいぬか漬けに変わります。
ここでは、一般的ではないけれどとても美味しいぬか漬けができる食材を6つご紹介します。
これらの食材を使えば、ぬか床の可能性を広げ、食卓をより楽しく彩ることができます。
アボカド
アボカドはぬか漬けにするとクリーミーな食感とぬかの風味が絶妙に合います。
熟したアボカドを選び、皮と種を取り除いた後、1日程度ぬか床に漬けましょう。
ほのかに酸味が加わり、新たな美味しさを発見できます。
チーズ
モッツァレラやフェタチーズをぬか床で漬けると、ぬかの旨味とチーズの塩気がマッチして、独特の風味が楽しめます。
表面の水分を拭き取り、小さくカットしてから半日から1日漬けるのがおすすめです。
ドライフルーツ
レーズンやクランベリーなど、ドライフルーツをぬか床に漬けると、甘みと酸味が加わり、風味が豊かになります。
特にレーズンは自然な甘さがぬかの塩気と良く合います。
数日間漬けてみてください。
ブロッコリーの茎
普段は捨てがちなブロッコリーの茎も、ぬか漬けにすると新しい美味しさが発見できます。
シャキシャキとした食感が楽しめ、2日から3日の漬け時間がおすすめです。
サーモン
サーモンをぬか床で漬けると、脂の旨味が引き立ち、西京焼き風の味わいになります。
薄切りにして1日だけ漬けてみてください。
そのままでも、少し焼いても絶品です。
鶏胸肉
鶏胸肉は、ぬか床で漬けることで驚くほど柔らかく仕上がります。
タンパク質がぬか床の酵素によって分解されるため、ほろほろとした食感が楽しめます。
薄切りにして、1日程度漬けるのがおすすめ。
サラダチキンのように冷たくしても、焼いて温かくしてもおいしく召し上がれます。
まとめ
ぬか床に漬けることで美味しくなる食材には、乾物や柑橘の皮、香辛料なども含まれます。
さらにお茶のパックに食材を入れてぬか床に少量ずつ加えると、味わいが深まります。
動物性の食材も野菜と同様にぬか床で美味しくなるため、さまざまな食材を試して、自分好みのぬか漬けを見つけてください。
旨味と風味が豊かな食事を楽しむことができるはずです。